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ホタルの里日記
平成14年4月11日

○フクロウに接近遭遇
  フクロウの棲む北側に、野生のサクラソウが自生している場所があって、その様子を見に出かけたときです。目の前10−20メートル先のカラマツの枝につがいのフクロウが2羽、いつも鳴いている場所の方から飛んできてとまり、またすぐに飛び去りました。
 下の写真はそのときあわてて撮ったものです。まったく写っていませんね。カメラは持っていたのですが、あわててスイッチを入れてシャッターを切ったものですからだめでした。
 でも野生のフクロウの飛ぶ姿って、なかなか見られないんだそうですね。それを先日と今日、たてつづけに目撃できました。
 
 2−3日前、実は2羽のフクロウが100メートルほど離れた小山の頂上で、盛んに鳴き競っていました。もしかして、それはメスを獲得するための戦いだったのかもしれませんが、つがいで飛んでいたのでもう勝負がついたのかもしれません。それとも横取りに現れたのかな?
 (本当にフクロウは鳴き声を競ってメスの獲得競争をするのでしょうか?)

フクロウのつがいを目の前にしてあわてて撮った失敗写真です。



○フクロウの不思議
 さて、フクロウが獲物に飛びかかる直前に、首を(垂直に保ったまま)左右に動かす(ちょっとこっけいな)動作をするのをご存知ですか?
 これは獲物の位置を正確に把握するための動作だと言われています。
 ではなぜ、左右に動かすと正確な位置を把握できるのでしょう? この理由を書いてあるホームページや書籍をまだ見たことが無いのですが、私は次のように考えています。

 人間もそうですが、目はふたつあって、その左右の目の網膜に描かれる像の違い(視差)で距離感や立体感が得られることは良く知られていますよね。
 ところで、左右の目と目の間が離れているほど視差は大きくなって正確に距離感が得られると思いませんか? (あんまり離れすぎてもいけないと思いますが。)

 フクロウは首を左右に動かすことで、左眼の像と右目の像の視差を大きくし、獲物までの正確な距離を計測するのではないでしょうか?
 すなわち、首を左に動かしたときの左眼の像と、右に動かしたときの右目の像は動かさなかったときより視差が大きくなっています。その視差が大きくなった2つの像を比較して距離感をより正確に得ることをフクロウの脳では自然にやっているものと私は考えます。


 また、フクロウの耳は正面から見ると上下にずれているそうです。そのずれのおかげで、獲物の音源を上下左右(そして距離までも?)どこからくるのか認識できるのだそうです。
 なぜ耳の上下のずれで、音源の位置を正確に認識できるのでしょう? この理由も聞いたことがありません。ちょっと考えてみましょう。

 さて、音源の左右の認識は、右耳から聞こえる音と左耳から聞こえる音が時間的にちょっとずれることを使っているのではないでしょうか。あるいは左右で音の大きさが異なることを利用しているのかもしれません。あるいはその両方を。

 じゃあ、上下は? あるいは前後はどうやって認識するのでしょうか?
 フクロウは左右で耳が上下にずれている訳ですから、左右の認識と同じ方法で上下も認識できることになります。
 では人間は? 人間の耳は上下にずれていないけど、音が上から発生しているのか、下からなのかを認識できますよね。
 それに前後の認識もできちゃいます。 

 人間が前後の音の発生位置を認識できるのは「耳」(正確には耳殻)が耳の穴の後ろに付いているためだと思います。
 つまり、後ろからきた音は、耳殻のため、乱されて耳の穴に入ってきます。目で言うとテレビの映像が、隣のビルのため、ゴーストが出るようなものです。
 すなわちゴースト付きの音は後ろからって認識するのではないでしょうか? (この仮説は実験で検証できそうですね)
 そんなしくみがフクロウの耳にもあるのでしょう。
 

 もう一つフクロウの秘密をお教えしましょう。フクロウは羽音が小さく、獲物に気づかれずに近づけます。どうやって羽音を小さくしているのでしょうか?
 フクロウの羽には細かなギザギザがあり、それが騒音の原因となる大きい空気の渦を細かくしてしまうため、羽音が小さくなるんだそうです。その方法を新幹線のパンタグラフに取り入れて、パンタグラフに小さなギザギザを付けて騒音を小さくしているそうです。


 ところで私は、2ー3日前の夜、仕事場を出て家に帰ろうとしたとき、そのフクロウの羽音を頭上で聞きました。真っ暗で姿は捉えられませんでしたが、きっとすぐそばを飛んでいたのでしょう。



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