ホタル保護ボランティア発足の経緯 昭和30年代まで、軽井沢発地ホタルの里には天然のヘイケやゲンジボタルが多数見られました。 しかしその後水田に農薬の空中散布などが行われ、また家庭からの雑排水などでホタルはまったく見られなくなり、絶滅したと思われていました。 ところが、今から10年程前のことですが、各家庭に下水道が完備し、水田も休耕田となって農薬などを使用した水田が激減した結果、ヘイケやゲンジボタルが復活してきたのです。それも一時は大発生と言えるほど100ヘクタールあまりの水田の中の農業用水路のいたるところからゲンジボタルが舞い出ました。 きっと水田周辺部の沢筋などで細々と生き残っていたものと思われます。 しかし10年ほど前には目を見張るほど復活したゲンジボタルがまた極端に数を減らしてしまいました。 原因はよくわかりませんが、農業用水路にゲンジボタルの餌である、カワニナがほとんど見られなくなってきてしまいました。 また、残されたゲンジボタルの発生地も数年続いた夏から秋にかけての豪雨により、土砂で埋まってしまったり、流されてしまいました。 絶滅の危機といってよいかもしれません。 そんな危機意識がボランティア「軽井沢発地ホタルを愛する会」を発足させました。 |
○休耕田で池作り ホタル水路の上流部には池を作りました。これは水を暖め、カワニナの繁殖を助けるのが目的ですが、カエルやトンボ、水棲昆虫が繁殖するなど、そこからは生態系全体に好影響を与えるものと思われます。 たとえばカエルが増えれば、フクロウなど猛禽類の餌にもなるなどです。 池に水を引いた後は、農業を営んでる会員により「しろかき」が行われます。「しろかき」とは、水を少し入れた状態で、田の泥をかき回す作業を言います。これは地面にあいているネズミの穴などをふさいで、水漏れを防ぐための作業です。 |